海紅俳三昧会場
第105回俳三昧 7 - 俳三昧
2021/10/15 (Fri) 05:09:53
本音がずれる秋雨というには強く こう
Re: 第105回俳三昧 7 - はるか
2021/10/25 (Mon) 00:24:26
本音はこれだと言い切れるほど、人は自分の考えていることそのままを言語化して伝えることはできていないのではないだろうか。そんな違和感が「本音がずれる」の正体ではないかと思いました。
同じような違和感、「秋雨」という定義におさまりきれない雨の強さを目の前の事象として取り合わせていると思います。雨の強さから考えるなら「本音」として多少大げさに言ってしまったことを悔いているのかもしれません。そのように読みました。
Re: 第105回俳三昧 7 - 聡
2021/10/24 (Sun) 02:32:48
みなさんの評が鋭く、なるほどーと読ませていただきました。
秋雨というには強く→自然現象の音
本音がずれる→本音の「音ね」は心中の歪み軋みの音。
少し強すぎるなぁと、秋雨の雨音に違和感を認識した瞬間から、作者の心の世界が展開されてゆく構成と読みました。
なので、自分の読み始めの順は、
秋雨というには強く本音がずれる
となります。
句意の味わいの順はこうなんですが、秋雨の音の強さX本音のずれ という実景と心象の二物衝撃をよりはっきりと読者へ投げかけるためにはどうでしょう?
詩情の発見の時系列を倒置して、自由律の文脈ならではの「切れ」を打ち出したほうがより、読みの余白やリズムの余白、対比のインパクトが増すということを作者は計算したのだと思います。
そして、すらっと肩の力が抜けたように技巧を感じさせず読める所、巧いとおもいます。
Re: 第105回俳三昧 7 - 秀斗
2021/10/19 (Tue) 21:15:13
度々秀雪さまのご議論に寄りかかり、恐縮でございますが、まこと私も音楽性を感じました。本音ずれる、というシチュエーションも広いですね。淡い恋愛情景とも、シリアスな家族情景とも取れます。
Re: 第105回俳三昧 7 - 田中耕司
2021/10/16 (Sat) 10:00:58
私の信条として、全部の作品に対して同じテンションで評をするって決めているのでまさか、こう君の作品が今回は出さないのかなと思っていてら遅れて出ているのに気づいたので慌てて感想を述べておきます。秋雨ってどんな雨なんだって考えてしままあたいふうのった。明らかに春雨とは違って私にはイメージがないなって感じている。秋で雨って言うとどうしても台風を思ってしまうし、強くといっているので台風に近いのではと思うことにしてみた。そうすると、本音がずれるというところをどう考えばよいのかって疑問が出てきてまた迷ってしまい、本当に年代の差を感じさせられて作者の本当の想いを感じ取れない気持ちにさせられて情けなくて作者に申し訳なく思っている。
Re: 第105回俳三昧 7 - 吉明
2021/10/16 (Sat) 06:22:36
「というには強く」に余韻、余情を感じます。人間の曖昧で不確かで割り切る事の出来ない混沌。表面的なわかり易さではない真のリアリズムです。
Re: Re: 第105回俳三昧 7 - 秀雪
2021/10/15 (Fri) 15:57:04
後半の『というには強く』がやや説明的ではあるようで、思いきって取っ払ったら、より音楽的になって、今ビックリしていたところです。
本音がずれる秋雨
かっこよすぎますが、それは好みということで。
Re: 第105回俳三昧 7 - 秀雪
2021/10/15 (Fri) 14:49:13
ずれる、この一言を見つけてしまったのは鋭すぎるとともに、またひとつ、こうさんが大きくなってゆくように感じます。
本音も秋雨も、日本も世界も、地球も宇宙も、次元すらも、ふるふる震えて『ずれ』てゆく現代を詠うには、言葉もずれてゆかざるを得ません。そういうものだと、とっくに気づいていながらも、これほどぴたりと当てはまる(ずれているのに!)言葉は、まだ見つけられずにいます。
私はこの作品に『音楽』を感じ、嫉妬しています。