海紅俳三昧会場

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第84回俳三昧 9 - 俳三昧

2019/11/14 (Thu) 05:52:42

死骸は甲虫てのひらで鉱石となり   直弥

Re: 第84回俳三昧 9 - 直弥

2019/12/02 (Mon) 19:59:24

当初は無機質で人工的な空間に、小さな命がぽつんとある様を詠もうとしました。
(時々マンションの廊下にやってくる虫を観察するのが楽しみなのです・笑)

「てのひら」は試作を繰り返すうちに取り入れたのですが、結果的に句に奥行きを与えることができたのかな、と。

皆さんから評でご指摘いただいた通り、確かにもう少し圧縮した方がいいのかもしれません。

ありがとうございました。。

Re: 第84回俳三昧 9 - ゆきこ

2019/11/30 (Sat) 11:45:24

とても無機質な感じがしました。死骸って生きていたのにもうただの脱け殻なんですね。それが、生きている暖かい人間の手のひらにあるという、哲学ですね。

Re: 第84回俳三昧 9 - 由紀

2019/11/28 (Thu) 17:27:31

「甲虫」の造形を「鉱石」と見出したことに美を感じました。
死を詠んでいますが決して残酷な情景ではなく、「鉱石」と見立てるやさしさが句の魅力となっていると思います。

「死骸」「甲虫」「てのひら」「鉱石」と意味の強い名詞が続いていており、作者の感動の中心がどこにあるのかが気になりました。
言葉同士に強弱をつけてみるのも一案かと思いました。

Re: 第84回俳三昧 9 - こう

2019/11/26 (Tue) 19:42:40

生き物に対する作者の眼差しがあたたかくて素敵です。
この甲虫はきっと少しだけ笑っているのではないでしょうか。作者の温かな掌に包み込まれたのですから。
それと対比して結句の鉱石が効いています。ヒンヤリとした物質になった生物の質感を見事に言い表していると思います。

Re: 第84回俳三昧 9 - 秀斗

2019/11/23 (Sat) 20:04:08

虫は非常に命を感じさせる動物です。鉱石となり、というところも命の輝きを感じさせますね。ただの石ではなく鉱石ですから。命のはかなさが美しく表現されてます。

Re: 第84回俳三昧 9 - 石川聡

2019/11/22 (Fri) 22:38:33

吉明さん説の甲虫の硬質感と掌の肉感の対比、命の通った温かさと死の冷たさの対比の読みには説得力があります。

また、秀雪さん説の言葉の圧縮の提案にもなるほどとうなずかされます。

それを受けて、ちょっと思ったのが下記になります。


目の付け所が良いだけに、表現のアプローチをどうするか?と、考えさせられた句です。

死骸は甲虫であるという限定。
甲虫が手のひらにあるという場所の限定。
甲虫の持つ硬質感が、まるで鉱石のようだという見立ての限定。

この限定の連続を統一することのできる助詞としては、「の」があるように思います。

格助詞「の」はもともと、所有、比較、並列、そして限定を指示する役割がありますので、この場合「限定」として解釈していきます。

そうすると、

甲虫のてのひらの鉱石→
甲虫の掌(て)の石

までは、言葉の圧縮作業は可能となるかとおもいます。ただ、これでは、直弥さんらしさがなくなるので原句のままでよいのかなと思います。

これだけ、ラボ的に考えさせてもらえる句だということが、素晴らしいと思いました♪

長文、すみませぬ(汗。


Re: 第84回俳三昧 9 - 吉明

2019/11/21 (Thu) 07:19:28

屍骸、甲虫、鉱石の冷徹な名詞の中に「てのひら」の妙に生暖かいいのちを置くことでこの句の面白さが浮き出てきます。海紅には「てのひら」の名句がいくつもありますが、これまでに無いクールなてのひらの句のです。

Re: 第84回俳三昧 9 - 秀雪

2019/11/17 (Sun) 14:57:34

海紅十一月号では
甲虫の死てのひらで鉱物となる
でしたね。ここでは「死骸」「鉱石」と変化はありますが、基本的に言いたいことは、死の不思議や生の不確かさではないでしょうか。ただ、「死骸」という言葉は無くても「甲虫てのひらで鉱石となり」だけでも十分伝わるような気はします。もっとシンプルに「石となり」でも面白いかな、と。
結句に関しては、十一月号の「となる」より断然いいと思います。「となり」と含みを持たせることで、作者の感情が伝わってきますので。

Re: 第84回俳三昧 9 - 田中耕司

2019/11/17 (Sun) 07:23:53

カブトムシってなんだか鉱石っぽいけど、死骸ってちょっと大げさに感じてしまった。でもこういった視線てのも大事にしなきゃなって思う。話は違うけど、以前甲虫をデパートで売っていたころ死んで動かなくなったら直しに出したって笑い話があったけど、まさか作者は修理に出さないだろうと思うけどお互い気を付けようぜ。

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